【院試体験談】生物系が数理情報系に挑んだ話:まとめ

※本記事は、これまでに書いた院試体験談シリーズのまとめページです。各回については、以下の目次から所定の項目をクリックすればスムーズにアクセスできます。

 

はじめに

初めまして、oratokと申します。この3月をもって大学の学部を卒業し、4月から修士1年として大学院に進学しました。その進路ですが

  • 東京大学 理学部 生物学科 人類学コース
  • 同大学院 情報理工学形研究科 数理情報学専攻

となっています。「名前長いわ!」と言われそうなので要約すると、生物系から数理情報系に進みます。最近この手の進路は珍しくもなくなってきている気もしますが、シンプルに「何で?」と聞かれるかもしれません。理論神経科学とか計算論的神経科学とか呼ばれる分野へのモチベーションが根底にありますが、詳しくは長くなりそうなので(気が向いたら)別の回で触れます。実は本命として博士課程ではOISTに行きたいと考えていて、これから新課程が始まるぞというタイミングにも関わらず引き続き院試準備中みたいな状況でもあります。これについても(気が向いたら)今後書くことにします。

 

理由はどうであれ、やったことは

  • 学部とは専門性がかなり異なる大学院の入試を受けた

というところになります。これから院試を受けようとしている学部生の中にも、これまで学んだことを通してこのような選択肢を検討している人はいるのではないでしょうか?もちろん最低限の出願要件を満たした上で入試に合格すれば良い話なのですが、

  • 学部からその分野を専門にしていた人々と競争する必要がありそう
  • 入試で何を聞かれるのか詳細がいまいち分からない

といった点に不安を覚えるのも無理はないかと思います。私自身もそうでした。最低限の情報を集めつつも最終的にどこまでやれば良いか分からないまま進むという手探り感満載の院試生活でしたが、それでも終わってみれば良い経験だったと感じる点もあります。

 

今回はそんな私の院試までの経過を、連載形式の体験談でまとめました。上記のような不安の他に

  • 興味の方向性はある程度あるが研究室選択まで落とし込めていない
  • 興味本位で出願してしまっていいのか不安
  • 興味ある研究室が複数ある
  • 院試対策にあまり時間を割けないかもしれない

といった悩みを抱える人にもある程度は参考になるかもしれません。

ただしコロナ禍による学科実習の大幅な日程変更、プレ卒研というカリキュラムの特殊性、研究分野の性質、そして私自身の計画不足といった要素が絡み合った結果、一般的な院試生活とは少々離れたものになっている可能性もあります。それも含めて「こんな奴でも何とかなったんだし大丈夫っしょ!」というチャレンジへの希望につなげていただければ幸いです*1

①研究室選び編

②出願編

③入試対策編

④試験当日編

 


*1:もちろんこれなら受かるという保証は一切できませんし、専攻や分野による問題も多分にあると思うので、本当に参考程度でお願いします。

【院試体験談④】生物系が数理情報系に挑んだ話:試験当日(ページ2)

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  • 結果発表
  • 夏院試総括

 

結果発表

口述試験も苦い思いを残して終わり、終了後すぐに自宅のある本郷から駒込まで、気晴らしにひたすら自転車を走らせました。2日後の生物科学専攻の口述試験対策がノータッチだったので、結局すぐに本郷に戻り生命科学の教科書を開くことになりましたが……

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【院試体験談④】生物系が数理情報系に挑んだ話:試験当日

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前回までで入試対策絡みは書き終わったので、試験当日とその後を書きます。夏院試のお話は今回で一通り完結です。

 

  • 数学の筆記試験(8月5日)
  • 口述試験(8月24日)

 

数学の筆記試験(8月5日)

本郷キャンパスで13時より試験開始。コロナ禍で長らく対面の筆記試験とは無縁の生活だったので、当日の受験生が集う会場の雰囲気にはどことなく懐かしさを覚えました。

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【院試体験談③】生物系が数理情報系に挑んだ話:入試対策(ページ2)

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数学(6月後半〜8月4日)

線形代数微分積分・確率統計

元々個人的な趣味の範疇で、線形代数と確率統計の参考書として以下の2冊は一読していました。

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【院試体験談③】生物系が数理情報系に挑んだ話:入試対策

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前回の出願篇で「次回はTOEFLについて書く」などと言いましたが、正直TOEFLだけだとそこまで書くことが無かったので、レポート課題や入試対策のところまで一気に書いちゃいます。

 

6月に入ってからは解剖実習が神経解剖のフェーズに移行し、プレ卒研についても2番目の研究室(神経科学系)に移りました。これらを引き続きこなしつつ、その裏でレポート課題や入試対策を進めていきます。対策と言っても実際の勉強の仕方は結局人それぞれだと思うので、ここでは参考書紹介+α程度に留めておきます。

 

  • TOEFL(〜6月14日)
    • 対策
    • 本番
  • レポート課題(〜7月28日)
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【院試体験談②】生物系が数理情報系に挑んだ話:出願(ページ2)

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  • 雑な院試対策プラン
  • 出願(6月1日〜7日)

 

雑な院試対策プラン

前ページの情報を総合し、数理情報学専攻入試に対峙するプランとして大雑把に以下のような流れを想定することにしました。

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【院試体験談②】生物系が数理情報系に挑んだ話:出願

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前回の研究室選びに続き、今回は院試出願の話です。解剖とプレ卒研に取り組みつつ、その裏でちまちまと出願準備や試験対策をしていきます。

 

数理情報が自身の志望とマッチしそうというのは前回の話の流れで述べましたが、具体的に必要な出願書類や入試科目などを精査しないことには出願まで踏み切れません。夏入試における他の大学院・専攻の併願可能性もこの段階で洗うべきだと考え、院試についてもう少し具体的に調べることにしました。

  • 院試概要
    • 院試日程
    • 受験科目
      • 情報理工学系研究科の共通科目
      • 数理情報学専攻の専門科目
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